都選定歴史的建造物の散策

葛飾区 山本亭 

葛飾区柴又7-19-32
葛飾区・山本亭ホームページ
山本亭の沿革

 この建物は、地元ゆかりの合資会社山本工場
(カメラ部品製造)の創立者山本栄之助翁の住
宅として建てられ、山本家四代目に亘る居宅と
なっていたものを昭和六十三年に葛飾区が取得
したものです。
 山本家はもと浅草の小島町(現・台東区)に
ありましたが大正十二年の関東大震災で被害を
受け、その直後柴又のこの地に移転してきたも
のです。
 建物は、木造瓦葺き二階建てで床面積は一階
400平方M、二階50平米Mに地下室、土蔵、
長屋門等からなり、大正十五年から昭和五年の
間、数次に亘る増改築を重ね現在の姿となって
います。その様式は都内でもめずらしい伝統的
な書院造りから洋風建築までの広がりをもって
います。
 また庭園は、縁先近くに池泉を、背後には、
緑濃い植え込みと築山を設け、滝を落とすとい
う典型的な書院庭園の様相を見せています。
(面積890平米M)
 山本亭は大正末期から昭和初期の時代精神が
反映された和洋折衷の建物と純和風の庭園とが
見事な調和を保っており、その文化財的価値は
高く評価されています。

玄関(カフェ山本亭
旧玄関(人力車が置いてある)
長屋門

 瓦葺きの木造平屋で伝統的な長屋門の
形態を踏襲しながらも、外観・内部とも
意匠を洋風化している点が特徴です。
 通路の両側にある3畳ほどの袖部屋は、
門番が常駐し、客人のお付きの人、人力
車の車夫などが控えていたとされていま
す。

建物について

 和室6部屋のうち角部屋にあたる2部屋は、
床の間、違い棚、明かり障子、欄間から成り
立つ伝統的な書院造りです。家全体を取り巻
く廊下は、天井が数寄屋風で、自然光を意識
した大きなガラス戸やガラス欄間で包まれて
います。
 庭は「花の間」の床柱を背にして眺めるの
が一番素晴らしく見えるように設計されてい
ます。すべての部屋も廊下を挟んで庭に面し
壁のほとんどない開放的な意匠を見せていま
す。

鳳凰の間

 邸内で唯一の洋間であり、昭和初期独特の
デザインです。白漆喰仕上げの高い天井や、
寄木を用いたモザイク模様の床のほか、大理
石のマントルピース。ステンドグラスが見ど
ころです。玄関脇に洋風の空間を設けること
は、斬新なスタイルでした。

山本亭の庭園について

 山本亭のように、昭和初期の資産家の庭園が当時のまま残っているのはまれで
あり、都内では旧安田邸(墨田区)徳富邸(世田谷区)があります。
 当庭園は、縁先や近くに池泉を、背後には緑濃い植え込みと築山を設け池を落
とすいう典型的な書院庭園であり、庭園面積は890平方Mです。
 滝は池の最も遠い部分の入江奥に設けられ、庭園に奥行きの深さと心地よい滝
の音を作り出し、また限られた池水面をより広く見せるための手法として池の諸
方面に入江を設け、他岸を多様に変化せしめています。

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