| 等々力渓谷(とどろきけいこく)
等々力渓谷は、国分寺崖線(がいせん)「ハケ」の最南端に位置する開析谷で、
都区内唯一の渓谷である。台地と谷との標高差は約10メートルあって、騒音も
渓谷の中まで届かず、都区内とは思えないほどの鬱蒼とした樹林渓谷美は、幽邃
(ゆうすい)な景観を呈し、武蔵野の面影をよくしている。玉川全円耕地整理
組合が、昭和五年から十三年にかけて谷沢川の流路を整備し、小径を設けるま
では、不動の滝からゴルフ橋にいたる渓谷内は殆ど人の立ち入ることもなく、
雉などの鳥類や、イタチ,キツネなどの小獣類、各種昆虫類の宝庫であった。
等々力不動尊左手の石段下には、国分寺崖線の湧水である不動の滝があり、
かってはこの滝に打たれて行をする修行僧が各地から訪れたと言われており、
役の行者ゆかりの霊場と伝えられている。等々力渓谷保存会によってお行な
れている螢祭りは、清掃活動とともに地域に根ざした保存活動として成果を
あげており、清流復活の先駆けとなった地域である。
等々力渓谷は、東京都指定名勝「真姿の池湧水群」(国分寺市西元町)と
ともに国分寺崖線名勝群を形成する一つであり、東京を代表する自然地理的
名勝として、植生学、地質学及び地形学上重要である。
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